日商簿記2級の第125回は合格率が40.0%になります。難易度は「易しい」に分類されます。
第4問は、費目別計算の仕訳と製造間接費の差異分析の問題です。
第4問
問1
(1)
素材と補修用材料は「材料勘定」になります。
材料 XXX / 買掛金 XXX
素材→直接材料費
補修用材料→間接材料費
(2)
素材は直接材料費なので、素材を消費した場合は材料勘定から仕掛品勘定に振り替えます。
仕掛品 XXX / 材料 XXX
(3)
・当月の直接工による労務費の消費高を計上
・当月の実際直接作業時間は803時間
・当月の実際間接作業時間は19時間
・予定賃率は1,400円
直接工の賃金消費額(予定消費額) = 予定賃率 × 実際作業時間
(4)
・当月の間接工による労務費の消費高を計上
・前月賃金未払高140,000円
・当月賃金支払高900,000円
・当月賃金未払高180,000円
当月の労務費の消費高を計上するので、当月の未払高は差し引く。
当月の間接工の消費高 = 前月未払高 + 当月支払高 – 当月未払高
間接工なので、製造間接費勘定を用いる。
製造間接費 XXX / 賃金・給料 XXX
(5)
予定配賦率の問題。製造間接費の相手勘定は仕掛品勘定です。
・年間の製造間接費予算は43,200,000円(変動費:16,200,000、固定費:27,000,000円)
・年間の製造間接費予算は10,800時間
・予定配賦率を求める。
・作業時間票の直接作業時間を配賦基準とする
・製造間接費(予定配賦額)を予定配賦率と直接作業時間で各製造指図書に配布する。
予定配賦率 = 年間の製造間接費予算額 / 基準操業度(予定作業時間)
予定配賦額 = 予定配賦率 × 各製造指図書の実際配布基準数値(直接作業時間)
※仕掛品には直接材料費や製造間接費が含まれている。
(6)
製造間接費差異の問題です。
・実際発生額:3,400,000円
・予定配賦額:(5)より
製造間接費配賦差異 XXX / 製造間接費 XXX
★不利差異
★有利差異
問2
前問の配賦差異から、変動予算を用いて予算差異と操業度差異に分解する。
●製造間接費差異の分析図
・予算差異:予算許容額 – 実際発生額
※予算許容額 = (変動費率 × 実際操業度) + 固定費予算額
・操業度差異:固定費率 × (実際操業度 – 基準操業度)
・能率差異:標準配賦率 × (標準操業度 – 実際操業度)
・変動費能率差異:変動費率 × (標準操業度 – 実際操業度)
・固定費能率差異:固定費率 × (標準操業度 – 実際操業度)
1.予定配賦率の算定
= 年間製造間接費予算 / 年間予定総直接作業時間
2.予定配賦額の計算では、上記で計算した予定配賦率に実際直接作業時間をかける
3.第4問は月間の話をしているので、以下を求めたりする。
①月間基準操業度 = 年間基準操業度 / 12か月
②月間固定費予算 = 年間固定費予算 / 12か月
③月間変動費予算 = 年間変動費予算 / 12か月
④固定費率 = ② / ①
⑤変動費率 = ③ / ①
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