日商簿記2級の第125回は合格率が40.0%になります。難易度は「易しい」に分類されます。
第3問は、本支店間の会計問題です。
参考問題:第130回-3 第133回-3
第3問
本支店間の会計問題になっています。まずは流れですが、
1.未達事項の整理
2.決算整理仕訳
3.決算整理前残高試算表に加減算
4.本店側と支店側の各勘定の合算
5.合併損益計算書、貸借対照表を完成させる
1.未達事項の整理
未達事項の仕訳は、未達側のみが行う。
例えば、「本店が支店へ商品を発送したが、支店に未達」という場合には、支店側の仕訳になります。
本店より仕入 xxx / 本店 xxx
2.内部利益の控除
・期首と期末の商品棚卸高の内部利益を控除する。
・期首商品棚卸高の内部利益は「繰延内部利益」です。
・期末商品棚卸高の内部利益は、本店から支店へ商品を発送する際に、本店が利益を乗せているので、その分を決算書を作成する場合に控除する必要があります。以下の式で期末の内部利益が求まります。
期末内部利益=(本店から仕入れた商品 + 未達商品) ×(利益率/1+利益率)
※利益率は、問題に記載されています。本問では、「原価の25%の利益が加えられている。」という箇所です。なので、利益率は0.25となります。
また、内部利益を求めたら、期首商品棚卸高、期末商品棚卸高、当期仕入高、売上高、商品を求めておきます。
・期首商品棚卸高 = 本店の繰越商品 + 支店側の繰越商品 – 繰越内部利益
繰越商品を仕入れに振り替えますので、仕訳は
仕入 xxx / 繰越商品 xxx
・期末商品棚卸高 = 本店の帳簿棚卸高 + 支店の帳簿棚卸高 + 未達商品 – 内部利益
・当期商品仕入高 = 本店の仕入 + 支店の仕入
・売上高 = 本店の売上 + 支店の売上
・商品 = 期末商品棚卸高
※損益計算書の「期末商品棚卸高」と貸借対照表の「商品」は通常一致します。しかし、商品評価損や棚卸減耗損が発生した場合、商品評価損や棚卸減耗損を差引いた金額となります。
損益計算書の売上原価における、「期末商品棚卸高」は帳簿棚卸高(@原価 × 帳簿棚卸数量)になります。
貸借対照表における「商品」は実地棚卸高(@時価 × 実地棚卸数量)になります。
3.貸倒引当金の設定
差額補充法により貸倒引当金を設定する。差額補充法では、残高試算表に記載されている貸倒引当金を設定した引当金から引きます。
貸倒引当金 ={ (受取手形 + 売掛金 + 未達事項) × x%} – 残高試算表の貸倒引当金
貸倒引当金繰入 xxx / 貸倒引当金 xxx
※定番の問題です。
4.固定資産の減価償却
定額法 = 建物の金額 × 残存価額 /耐用年数
減価償却費 xxx / 建物減価償却累計額 xxx
減価償却費 xxx / 備品減価償却累計額 xxx
※定番の問題です。
5.貸付金の利息(収益の見越し)
・会計期間:平成21年1月1日~平成21年12月31日
・平成21年9月1日貸付
・貸付期間:9か月
・年利率:3.6%
・利息は元金とともに返済時に受け取る
受取利息の求め方
受取利息 = 貸付金 × 年利率 × 未収月(又は日数)/12カ月(又は365日)
貸付は9月1日、利息は返済時に受け取るので、未収は9月1日~12月31日までの4ヶ月間です。
未収収益 xxx / 受取利息 xxx
6.営業費の前払いと未払い(費用の繰延と見越し)
営業費の前払いと未払い分があるので、計上する。
前払費用 xxx / 営業費 xxx
営業費 xxx / 未払費用 xxx
7.解答用紙に記入
残高試算表の金額と、未達や決算仕訳も考慮して損益計算書と貸借対照表を埋めていく。
推定個所は、問題を解いたうえで記載されていない科目が候補なので正しい場所に入れる。
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